トレーダーの評価法
フィッシャーは、トレーダーは彼らの取引の背後にある論理的根拠によって評価されるべきであり、直近のある期間に利益をあげたかあげないかにかかわらず、その論理的根拠が健全であった場合に報酬を得るべきであることを主張し、以下のように書いている。
「彼らの取引の根拠を判断することが重要である。根拠は間違うことがある。しかし私は、根拠のない取引がなされることを警戒する。・・・・・損益計算書(P/L)だけ、または損益計算書を最初に見ることはきわめて正しくない方法である。」フィッシャーは、市場における短期の変動に対してではなく、知性と長期的な思考に対して報いられるべきだと考えていた。
- 作者: エマニュエルダーマン,Emanuel Derman,森谷博之,長坂陽子,船見侑生
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2005/12
- メディア: 単行本
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引用のフィッシャーとは、かのブラック-ショールズ方程式 - Wikipedia
を考案したフィッシャー・ブラックその人である。ビジネススクールでファイナンスの授業をとると必ず避けて通れないあれである。
そんな金融経済学のレジェンドと当時ゴールドマンサックスで仕事をしたのが、著者である。
引用は個人投資家にも当然当てはまる。投資は面白いもので、正しく損することもあれば、誤って儲けることもある。これが投資やトレードを一層困難にする理由の一つだ。
根拠のないポジションやトレードは例えそれで大金を手にしても、間違いであり失敗である。長期的に見れば自ずとそれが明らかになる。
一人で投資に向き合う者には一層困難なことだが、間違って儲けた時は深く反省し、正しく損した時はしっかり己を誉めてあげるべきなのだ。