すべて幻想です。

しかし、実際に何が行われているかという「真実」を知らずに、何十億人という人たちが「ビジネスゲーム」をしに毎日集まってきます。その人たちの多くはーもしかしたらあなたもー「自分は『ビジネスゲーム』に勝っている」と、あるいは「いつか勝つだろう」「すでに勝った」と、または「自分のまわりの人やメディアで見た人が勝った」と信じています。

しかし、それはすべて幻想です。

あなたには、別の選択肢があるのです!

「ビジネスゲーム」に勝つことはできないとわかれば、あなたの取るべき道2つだけです。

1.どんなことをしようとも、いずれは負け、大きな「代償」を払うことになると知りながら、伝統的なルールと規則としくみと観念に従ってプレーを続ける。

2. 古い「ビジネスゲーム」から完全に脱出し、自分だけのための「新たなビジネスゲーム」を創り、自らルールと規則を選んで、ビジネスとの関係を永遠に変えてします。

 

ビジネスゲームから自由になる法

ビジネスゲームから自由になる法

「ザ・マネーゲーム」から脱出する法

「ザ・マネーゲーム」から脱出する法

 

先日の記事でふと思い出したので、ここで少し変わったビジネス系自己啓発本を紹介しよう。2つとも内容はほぼ同じなので、どちらか1つで十分。

著者は世界的人材派遣会社「マンパワー」創業者の孫である、ロバート・シャインフェルドで、自身が創業した会社も1億ドルで売却するまでに成長させるという実績を持つ。

この手の著者が書く書籍は大方、自身の実績自慢や成功哲学の披瀝&押し売りが定石なのだが、彼は、自身の経験が、すべて絶対に勝つ事のない終わりなきビジネスゲームという幻想を必死にプレーしていただけであり、多くの人もそうなのだと言う。

さらに、人が今経験している物質的な物や人から環境の詳細な部分まで、すべては”本来の自分”が創り出した幻想(本書ではホログラムとしている。)であり、その幻想に埋没すればするほど、勝つ事のないビジネスゲームに巻き込まれてしまい、多くの代償を払うはめになるというのである。

予備知識のない人が読めば、完全にとんでも本である。自己啓発分野も遂にネタ切れか?と思うほどだろう。だが、これも言っていることは先に紹介した記事にある話の流れを汲んでいるのである。

脳科学や量子物理学、仏教などの東洋哲学をかじっている者であれば、意外に腑に落ちる部分も多いはず(だからと言ってそれらの分野を自己啓発的思想の根拠にするには時期尚早。脳科学や量子物理学はまだ現在進行形の学問であり、その道の専門家ですらまだ分からないことだらけなのだから。)。

簡単に言うと、我々が日々経験していることは、言わば映画館のスクリーン上で繰り広げられる物語みたいなもので、その中の主人公(通常我々が考えているところの”私”)が物語上の幻想(ホログラム)を変えようといくら奮闘しても何も変わらないですよ、と。そして、スクリーン上の幻想(ホログラム)を変えられるのは、他ならぬその映画を作成した監督なり脚本家(本書による”本来の私”)のみですよ、と著者は言っているのである。

よって、儲けたい、会社を大きくしたい、金持ちになりたい、高級車や大きな家を所有したいなどの動機で必死に努力するということはつまり、幻想が真実であるという思い込みを強化するだけであって、反って真実からますます遠ざかるばかりなのだ、ということのようだ。(そんなスクリーン上の主人公の健気な姿を見て制作者サイドはさぞしたり顔をしていることだろう。)

じゃどうすればいいのよ?と疑問に思えば、本書を少し開いてみても良いかもしれない。