勝率とリスク・リワード比率

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巷では、勝率8割の必勝トレード手法!などのうたい文句で商材や書籍が売られているが、これもまぁ買わせるための一種のフィッシングと言っていいと思う。トレードというのは面白いもので、決して勝率を競う競技ではなく、9勝1敗で破産する人もいれば、1勝9敗でぼろ儲けする人もいるのが現実である。現に、先週の私の勝率は3勝7敗であったが、利益は十分プラスだった。よって、トレーダーの真の実力を測るには、勝率とあわせてリスク・リワード比率を見なければ意味がないのだ。

リスク・リワード比率とは、平均利益(利益合計/勝ちトレード数)を平均損失(損失合計/負けトレード数)で割ったものだ。

  • リスク・リワード比率=平均利益/平均損失

ちなみに、私の先週のトレードのリスク・リワード比率は5であった。要は、平均的に1回のトレードによる利益は、損失額の5倍ということだ。ゆえに、3勝7敗でも利益が上がるというわけである。

こういう事実があるにも関わらず、結構勝率ばかりをむやみに追い求めるトレーダーがいるのは不思議な話だ。まぁ勝率が高いイコールトレードの技術・才能が高いと一般的に思われてるため、自慢しやすいのだろう。正直私も、高勝率を追い求めて精進していた時期があったし、一定期間勝率7割から8割をキープして利益も順調に上げていた頃があったが、今はもうそのようなスタイルはとっていない。

勝率を上げるだけなら、正直だれでも簡単にできる。ポジションをとり少し利が乗ればすぐに利食い、危なそうならトントンで早期撤退を繰り返せばいいのだ。しかし、この手法には落とし穴がある。それは、かなりの集中力と労力が常に必要となるということだ。さらに勝ち続けるにつれ、勝つことへの執着とプレッシャーが日に日に増してくると、無意味なトレードをしてしまい、ドカンと負けてしまうということにもなりかねない。また、トレード中は画面に張り付いておかなければならないので、Quality of Lifeもかなり低下する。このような手法はトレード初心者にとってはなおさらハードルが高いだろう。よって、私は、投下労力対効果の観点から、高勝率・低リスクリワードよりも、低勝率・高リスクリワードのトレードスタイルを推奨する。

高勝率低リスクリワードでコツコツドカンとやられた時のあの言葉にならない虚無感(上写真のイメージ)を味わうリスクを取るよりも、一発逆転満塁ホームランの爽快感を味わうほうが長期に渡ってトレードを行う場合、精神衛生上もプラスだと思う。まぁこの辺は個々人の性格や環境にも左右されるので、なんとも言えないが、もし、高勝率にこだわってトレードが苦しいし、楽しくないという方はこのスタイルも試してみてはどうだろうか。

もちろん、高勝率、高リスク・リスクワードを維持しているという方はこの限りではないし、そういう方は是非その手法を教えていただきたいと思う。今のところ”勝率8割・リスクリワード比率10のトレード手法!”などという商材や書籍に出くわしたことがない。

低勝率の優位性については、以前紹介した書籍にも書かれているので再載しておく。

 

実践 生き残りのディーリング (現代の錬金術師シリーズ)

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