愛するがゆえに
「お母さんは(あるいはお父さんは)私がハッピーでいてほしいんだ」と思い込ませることは、多くの子供ーストレスや抑うつを抱え、あるいはからだの病気を持つ大人の予備軍ーに、一生つきまとう抑圧傾向をみにつけさせるいちばんの近道なのである。
- 作者: ガボールマテ,Gabor Mat´e,伊藤はるみ
- 出版社/メーカー: 日本教文社
- 発売日: 2005/09
- メディア: 単行本
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虐待などは論外だが、切ないのは子供は親から直接的に精神を抑圧されるわけではなく、苦しむ親を見て、自ら進んでそうするというところだ。親を愛するがゆえに子供としての当然の根源的欲求を無視・抑圧し、”良い子”として振る舞うのだ。そしてその演技(抑圧)には相当のエネルギーがいる。それこそ、自分を捨てるくらいのエネルギーだ。子供にそんな大仕事を背負わせて、まともに成長しろというほうが狂気の沙汰ではないか。
子供を怒るためには、あなたは相当苦しいんでいなければならない。(意訳:あなたが相当苦しんでいないかぎり、(本来無条件に愛すべき)子供に怒りをぶつけることなどできない。) ーバイロン・ケイティ
親は子供に怒る前に、自分の苦しみ、そしてその苦しみをもたらしている”考え”、思い込み、観念、信念等をよくよく見つめ直すのが先なのだ。
子供の幸せを思うがゆえに苦しむ親が相当いる。しかし、親自身が幸せでない限り、子供は絶対に幸せにはならないということを断言しておこう。