現在のドル円相場観

久々の更新。

今日は現時点で、私が持っている相場観を書き留めておきたい。

まず前回エリオット波動理論を用いて簡単に想定し得る2パターンを紹介したが、結果的に両方とも間違いであった。

私個人としてはパターン2を想定して105.5を超えた辺りから少しずつ売っていた。108円半ばを目処としていたが、結果的に110円の大台にタッチしてきた。ただし、これもオーバーシュートの想定内で、その後105円あたりまで戻したところで利益確定をした。

問題はその後である。ここから切り返して再び110円へのトライというところで、まさかの日銀バズーカが発動された。これには多くの市場関係者も不意をつかれたらしい。実は私もその一人で、戻り売りを狙って売りポジションを少しずつ取っていたところをまんまと持って行かれてしまった。その後態勢を立て直すのに一苦労したのは言うまでもない。

幸い今年も無事プラスで終われそうだが、さすがにこの超短期急上昇の波に乗れなかったのは悔いが残る。

では直近の動きを、先のエリオット理論ではどのような説明ができようか。

実は今年の半年以上にも及ぶボラティリティの急低下を見るにつけて、一つの疑念が頭の片隅をよぎっていたのだ。下図の青い部分だ。

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これだけの長期間波動のない時期が続くと、エリオット波動をつけるのに無理が出てくる。よって、これは波動が一旦リセットされたと考えた方がよいのだ。

実は上昇第五派は昨年の105.5円で完成されており、今年の稀に見るボラティリティの低下で一旦波動がリセットされたと考えたほうがよい。

よって、直近の110円までの上昇を第一波、その後の105円への戻しを調整第二波、現在の上げを上昇第三波とみることができる。

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この新たな上昇波動が向かう先はどの辺りか。おそらく123円あたりが目処か。

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今回の上昇波で問題なのはそのスピードの早さ。

どこかのタイミングで調整第四波(5円程度の急激な下げ)が想定されるので、それをねらってショートポジションを取るのもよし、徹底的に買いで攻めるのもよし。来年もドル円の動きには退屈しないはずだ。

ちなみに上図のようなチャートでショートを狙う手法をよくcup and handleと呼ぶことがある。つまり大きな下げから対称的にまた戻してきてコーヒーカップのような形を形成後、また一度下がることで、カップの持ち手(handle)のような形が形成されることがよくあるためだ。理由を簡単に言うと、カップの下の方の買い手による達成感売りと、カップの左上でのロングポジションを塩漬けにしている投資家の逃げ売りが発生するためだ。

よって中期的には120円より上を売りで向かって行っても面白いと思う。ただし、円安の歯止めが効かなくなるような異常事態(ファンドの日本売り)にはくれぐれも注意が必要である。