自分を変える教室

呼吸に意識を集中するのは、かんたんながらじつに効果的な瞑想のテクニッックであり、脳を鍛え、意思力を強化するのに役立ちます。これによってストレスも減少し、気が散るような内的な要因(欲求、心配、欲望)や外的な誘惑(聞こえてくる音、見えるもの、匂い)に惑わされないようになります。

スタンフォードの自分を変える教室

スタンフォードの自分を変える教室

 書店で平積みにされていたので手に取る。特に新しい情報はなし。

脳科学、心理学、行動経済学、東洋哲学、仏教等を一通りかじっている人にとっては物足りないかもしれない。まぁ、最近の科学で明らかになった事実を意思力というテーマでまとめてみましたと言ったところか。それにプラスで、美しい教授によるスタンフォード大学の人気授業ということで売れているのかな。

最近流行のアメリカ発の自己啓発本に内容は似ているが、アカデミックな研究が担保されているので心配はない。

ちなみに最近流行の人生が変わる系の自己啓発本(お金系も含む)についてはまた別の機会に触れておきたいが、基本アメリカ発でやってくる流行ものは、綿密な戦略に基づくビジネスであって、けっしてそれで自分の人生がどうこうというものではないことは注意しておきたい。

ところで瞑想とは、(幻想としての)過去や未来へ拡散する意識を今現在に呼び戻す作業と言える。過去とは記憶であり、記憶から恐怖は生まれ、また未来の不確実性から不安が生まれる。そして人間はそれらの感情に多くのエネルギーを費やしてしまっているのである。瞑想は、そのようなエネルギーの無駄遣いを廃し、今にすべてをつぎ込むための良きツールである。なぜなら、人生に過去や未来はなく、常に”今”の絶え間ない連続でしかないからだ。