期限付きレンタル

 というわけで、人間の生き物としてのオリジナルな部分は「心」=「身体」なのですが、それは人間に内蔵された「内なる自然」である、と見ることも出来るのではないかと思います。そう考えますと、「心」=「身体」とは、自分を形作ってくれてはいるが、自分のものではない、ということになります。つまり、期限付きで「自然」からレンタルされているだけなのではないかということです。

「普通がいい」という病~「自分を取りもどす」10講 (講談社現代新書)

「普通がいい」という病~「自分を取りもどす」10講 (講談社現代新書)

 坂本龍馬の”我死するときは命を天に返し”という言葉を思わせる。

人の意識はなにかと心と体を支配しようとする。しかし、人の意識というものは生のほんの一部でしかないことは科学的に証明されている。意識による心と体のコントロールに無理が出ると、人は不幸や葛藤に苦しむ。また、それらの無理が体調不良やうつなどの症状となって現れる場合もあろう。逆に言うと、それらの症状が意識という暴君による圧政への、心と体という民衆からの反逆と言えるかもしれない。民心が離れた為政者の末路は歴史が証明する通りである。従って、心と体の声にしっかり耳を傾け、注意を払うことが重要だ。