ポジションサイジング

私が知っているトレーダーの多くが、自分の取っているリスクの大きさとリターンとの関係をきちんと理解していないことには本当に驚かされる。彼らは連敗によってではなく、わずか数回の損失で資金を大きく減らしている。さらに負けトレード日よりも勝ちトレード日のほうが多いのに、月末または年末で締めると結局は損失となっているトレーダーも少なくない。それは負けトレードの平均ポジションが勝ちトレードのサイズよりも大きいからである。

(中略)

数回大きく負けたトレーダーはそれまでのやり方を変更し、失った資金を取り戻そうとポジションを大きくしたり、トレードの頻度をさらに上げるだろう。そうすれば六対四という当初の利益と損失の確率は半々となり、負ける確率はさらに大きくなる。その結果、数ヶ月かかって稼いだ利益をたった一日で失うことになり、資金的にもまた心理的にもそうしたダメージから回復するのは容易なことではない。グラントの正しいアドバイスを聞き入れ損失リスクをポジションサイズの一定率に抑えるならば、損失が大きくなりそうなときはポジションを小さくし、逆にうまくトレンドに乗れて利益が増えているときはポジションを広げるといった柔軟なやり方も可能となる。

トレーダーの精神分析―自分を理解し、自分だけのエッジを見つけた者だけが成功できる (ウィザードブックシリーズ126)

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 トレーダーを一度でも志したものなら、このような失敗は一度は経験したことがあるだろう。