GAPについて その②

先日、窓(GAP)について少し、触れたあと、重要な部分を残したままにしていたので、ここでもう少し書いておきたい。(その①はこちらGAPについて - T-fund's blog

 

月曜日の寄り付きで窓が開いた場合、それがどの局面で発生したかが重要というお話をしたが、その大事な局面とは大きく分けてだいたい下記の2つだ。

①上昇(下降)トレンドの初期

②上昇(下降)トレンドのピーク

で、①の局面で現れた窓は基本埋められたあと、そこをサポートラインとして、上昇を続けると思って問題はない。ドル円でいうと下記のような場合だ。

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GAPをつけて、一度それを埋めてから再上昇しているのがお分かりだろう。そしてその後もそのGAPを埋めたところをおおよそのサポートとしているのが見える。このころのドル円はまだ本格的なアベノミクス相場でなかったため、上昇していはいたが一般的な投資家は半信半疑だっただろう。こう言う上昇トレンドの初期で発生したGAPは、プロの投資家たちによる、これから本格的に上げていきますよという狼煙のようなものとして捕らえて問題はない。よって、GAPが埋められるのを確認して自信を持って買いでついて行くのが定石だ。

②の局面で発生するGAPは、結構残酷だ。言わば、何も知らずにやってきた無邪気なシマウマがライオンたちに食い散らかされるという弱肉強食のドキュメンタリー映像なのだ。

最近のドル円でいうと下記のような場合だ。

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ここで起こっていることをイメージ化すると・・・

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実際の相場はこのイメージ以上に弱肉強食の厳しい世界である。生半可な気持ちで参加しないほうが身のためである。私も時々こんな世界に身を投じていることに戦慄を覚えることがある・・・

 

さて上図の場合では、これまで一方向の強い上昇トレンドだったため、今回も上に向かっていくだろうと安易に考えた投資家が行って来いで買いを入れ、月曜にGAPをつけたが、その後おそろしいほどの急降下で血祭りに上げられているのがよくわかるだろう。経験豊富な投資家なら今回のGAPが非常に危険であることを察知して、何もしないかリスクをかなり抑えて入っているはずだ。なぜなら、こういうトレンド局面で発生するGAPは天井のサインでその後短期もしくは中長期的トレンド転換サインとなる場合が多いからである。ある程度の経験と知識がある投資家であれば、この事実を当然知っているし、このGAPが発生する直前の激しい上下のもみ合いもトレンドピーク時に発生するものだということを認識しているものだ。

GAPで天井をつかまされた無知な投資家が耐え切れなくなり、順次損切りをするにしたがって、下落スピードがどんどん増し、最後まで踏ん張った者に対しても、この局面を利用した売り勢力が無情にもトドメを刺すのだ。

この場合は結果的に下落前水準に戻り(それはそれで、損切りした人たちの精神的苦痛は倍増するだろう。。)、さらにその後黒田異次元緩和へと続くので、損切りせず耐えた場合でも問題はなかったが、それは単なる結果論で、こういう局面で万一自分が血祭りに上げられる方になってしまった場合は、できるだけ早く損切りすることだ。耐えて塩漬けになどしてはいけない。もしこれがトレンド転換のサインであれば、半永久的に戻ってこないこともあり得るのだから。

上の2つの局面は下降局面でも原理は同じなので、チャートをさかさまにして応用していただきたい。

というわけで、GAPは投資家心理がわかりやすく反映されるので、以上のような局面以外でもいろいろ観察してみると勉強になると思う。